4人の女帝たち

パーフェクトワールドには、現在も中心地として繁栄し続けている「祖龍の城」の他、歴史の闇に消された、4つの大帝国が存在していた。物語の中でも過去の歴史として、語られるも、その存在を知るものは少ない。「祖龍の城」以外の4帝国は、息をひそめ、その時を待っていた。そして今、4大帝国、4人の女帝が、それぞれの思いを抱き、大戦乱、「帝国戦争」という表舞台に現れる。

白帝 シルヴァ

北の《黒帝》が、祖先「雷帝イーワン」の時代に当時の《白帝》アレキサンダーによって喫した軍事的大敗に報復を行うため、ついにその軍勢を動かした、という報告を受けた。
平和な世であれば髪を花冠で飾り、自由に草原を駆け巡っていたであろう、可憐な少女。
故国を守り、王朝を再建するため、その美しく長い髪をくくり、甲冑をまとい、《白帝》の責務である護国の戦いに赴かねばならない。
彼女の名は、《白帝》「シルヴァ」といった。

貴族の風格

《白帝》シルヴァは、重々しい金属製の甲冑を身にまとってはいるが、動きを妨げない程度に美しく装飾されており、彼女自身はブロンドの長髪に美しい顔立ちで、
気高く優雅ですらあり、女性らしさは失われていない。長いマントは敵の視界を遮り、敵を無数に攻撃する手助けとなる。
シルヴァは一見して、クールな女性であるようにも見えるが、国家と国民を愛する熱い心の持ち主である。

王者の剣

《白帝》シルヴァは鋭い長剣―王者の剣を所有している。
その剣身は薄く鋭く、戦闘時に振り回すのに都合がよい。血痕の斑点があり、一体どれほどの敵を打ち滅ぼしてきたのかは想像を絶する。
黄金に輝く剣には、大きな宝石がはめ込まれており、彼女の帝王としての身分を象徴している。
彼女が剣を振るう度、部下の騎士たちは奮い立ち、王者の剣は向かうところ敵なしである。

《白帝軍》遠征根拠地「ヴァイストンシュタット」

ヴァイストンシュタットは、頑強な白大理石を主要建材として
《白帝の都》こと「ノルトリンブルグ」に続く山麓に築かれた、厳粛で壮麗な城塞都市です。
城門の前には天然の堀があり、都市の障壁となっています。

城壁には随所に精緻な彫刻が施され、中央広場の庭園には美しい噴水も存在しており、白帝の都の人々の高い芸術センスを示していると言えるでしょう。
空には白い鳩が群れをなして飛び回り、周囲を緑地帯に囲まれており、陽光降り注ぐヴァイストンシュタットは美しく清らかな印象を与えることでしょう。

――今のところ北から迫りくる《黒帝》の蛮軍による復讐戦という脅威に直面してはいるが、シルヴァにとっては恐れるものなど何もない。
なぜならば彼女は今、《白帝》という地位にある。祖国と国民の防衛こそが最重要使命であり、彼女にとっての栄光である。
ヴァイストンシュタットに集った英雄たちは、シルヴァの指揮の下、護国の戦いに赴くのである。
「祖先アレキサンダーの名にかけて!皆の力を結集して、黒帝の軍勢を打ち破りましょう!」

黒帝 リュドミラ

北方蛮族の女帝

《黒帝》の装備品は皮材と骨材がメインで、金属は補助的役割でしかない。ヘルメットは羊の骨で作られている。
肩甲は猪の骨で作られ、金属と牙が配されている。腰についたラッパを吹けばいつでも部下を招集することができる。全身から北方蛮人の気質が感じられる。
リュドミラが持つ斧には鋭い角がある。さまざまな装飾がされており、北の覇者の地位を象徴している。

《黒帝軍》遠征根拠地「フォート・チョールヌイ」

吹雪が絶えることなく吹きすさび万年雪が堆積する、神秘的な北方山脈への回廊に建設された「フォート・チョールヌイ」は
その名の示す通り厳しい気候条件の中に建設された。
周囲は険しい雪峰に囲まれており天然の要害となっている。
外部に唯一接続しているのは、上部構造物がすっかり破損してしまった石橋のみである。
町の外には、千年前の雷帝イーワンの巨大な石像があり、冷たい巨体から振り挙げたままの腕で、厳しい環境に暮らす北の蛮族達を鼓舞し続けているかのようである。

――祖先イーワンのために白帝に報復するという願望を持つ《黒帝》リュドミラは、厳格かつ迅速に、何物にも屈服しない力強さで前進を続ける。
黒帝の都の勇士達が祖先の報復のために「フォート・チョールヌイ」に集結し、北方からの叫び声が大空に響き渡り、千年の長きに渡り待ち望んだ血の戦いが始まるのだ。
「偉大なる祖先、雷帝イーワンの無念を晴らす。それだけよ。」

赤帝 カーリー

小悪魔の笑み

《赤帝》カーリーは全身を焔を思わせる深紅の装束で固めていますが、これは龍達の庇護者として焔に並々ならぬ愛着を持っているためです。
一見して幼い少女にしか見えない普段の彼女が見せる微笑みの裏には、何か企み事があるのではないかと一部で噂になっています。
いつもカーリーが肩にのせている「ニモ」は「カーリー」と全く同じ日に誕生し、《赤帝》の守護者たる運命をもって生まれた火龍の子どもです。

比類なき大剣

小柄で華奢なカーリーですが、自身の身体ほどもある大剣を所持しており、その柄はマグマのように螺旋を描いています。
この大剣で敵に致命的な傷を負わせ、また全てを焼き尽くすことができるのです。
比類なき、唯一無二の剣です。

《赤帝軍》根拠地 ドラゴンズアビス

灼熱の大陸南域は、伝説中にのみ語られる「真龍」以後の時代は人々が割拠してきました。
火龍が繁栄するにつれてその巣穴も増加していき、大陸のその他の地域との地理的隔絶性も拡大してきました。
ドラゴンズアビスは、大陸南方に覇を唱える赤帝の都の火口に位置する、軍勢の根拠地です。
岩壁に囲まれ、またマグマが天然の堀を形成しており、ドラゴンズアビスの特徴的な景観を形成しています。
巨大なマグマプールは武器を鍛造するために利用されており、環状に構成されているドラゴンズアビスの中心でもあります。
まれに溶岩が高所から流れ落ち、マグマのカーテンを形成し、熱い蒸気が拡散する事もあります。
天は紅に染まり、大地はひび割れ溶岩が煌めき、周囲には植物が生えている形跡も確認できません。
このような過酷な環境下で唯一の生存者がドラゴンズアビスに住まう人々なのです。
――まだ若い《赤帝》は人民へのあふれる愛をその胸に秘め、恐れるものはなにもない。
運命への挑戦、生存への戦い、将来への想い。
《赤帝》カーリーの戦いが溶岩流の如く、広大な大陸へ拡がりはじめた。
「さぁ、いくよっ、ニモ!」

青帝 レイカ

クールビューティー

深紅のドレスをまとった長髪の美人であり、妙齢の女性らしい魅力にあふれています。
ドレスに施されている金色の龍の刺繍は、《青帝》としてのレイカの地位を象徴しています。
大きく露出しているその肩には、牡丹の刺青が確認されています。

永遠の海賊稼業

《青帝》レイカは長年、あちこちの海上で活動していた経験により、とても博識で、また掠奪した相手から多くの武器を奪って使用した経験があります。
その中でも彼女が普段から持ち歩いているお気に入りの武器は2種類あり、1つは西方の近距離武器である火銃で、反動も少なく、レイカの体格でも扱いやすい大きさです。
もう1種類は、服の中に隠し持てるほど小さく、十分な鋭さを持つダガーを、護身用として愛用しています。

《青帝軍》旗艦リュウオウ

旗艦リュウオウは伝説の真龍の骸骨を、その名の通り龍骨に使用して建造された、《青帝》の旗艦たる巨大な海賊船です。
ケンタウロスの船首像は巨大な剣を振り回しながら波しぶきの中を叫びまわり、艦首の龍の口から噴き出す火焔は、突進する旗艦リュウオウを象徴し、
他のどのような船をもってしても、秘宝を追い求める《青帝軍》を阻む事が出来ません。
艦体の後方には青帝の居城がそびえ立ち、真龍のように巨大なリュウオウの艦体は、濃霧の荒波でも神出鬼没な航行を可能としています。

――遙か東方では美しさ、強さにおいて並ぶものが無いとまで言われた「海賊女帝」は部下を引き連れ、殺戮と掠奪を繰り返す。
レイカは常々部下に言い聞かせる。我々の航路には果てがないのだ、と。
歴戦の海賊である部下達も《青帝》と同様に、財産に対する渇望は留まる事を知らない。
東方から登る太陽を眺めながら、レイカは進路を西方の大陸に向けるように指示を出す。
「ほらアンタたち急ぎな!早くしないと余所に美味しい所をもっていかれちまうよ!」